都会の喧噪から離れ、静寂な雰囲気の中で心を清める。
最近、心のリラクゼーションを求めて写経をする方が増えております。
海外からも日本を訪れ坐禅と同じく写経をされる方が多いと聞きます。
スマホや活字ばかりの社会の中で、墨で書かれた文字は心の安らぎさえ覚えます。
寛永十九年、後水尾天皇より写経会に要する仏具百余点の御寄付を賜って
立派に再興を遂げた雲龍院では、誰でも気軽にお写経をしていただける写経道場を行っております。
香で手を清め、朱墨で写経を行い、最後に庭園を見ながら抹茶やお菓子を頂けます。
雲龍院は 南北朝時代の天皇の菩提寺であり、1372年に後光厳天皇により創建されました。そして、次の帝である後円融天皇が写経の功徳を御信奉され、当院に綸旨を下されて以来写経道場となりました。 写経を行っていただきます、本堂「龍華殿」は1502年に後柏原天皇より下賜されたもので、重要文化財に指定されております。
御本尊は薬師如来。中央にある写経塔には、光子内親王(後水尾天皇の第七皇女 林丘寺宮)の書かれた写経が納められており、写経の御本尊として安置されています。
1.丁字(ちょうじ)を一つ 口に含む。口から発する四つのことを清めます。(丁字の木の花のつぼみを乾燥させたものです。クローブとも言い、香辛料や漢方薬にも使われています。)
2.塗香(ずこう)を手に塗る。身体でする三つの行為を清めます。
3.酒水(しゃすい)を頭に注ぐ。心から生れる三つのことを清めます。(酒水は加持祈祷した清水です)
「般若心経」が薄く書かれていますので、その上から筆でなぞって下さい。当院では代々『朱墨』での写経を行っております。最後に心願(願い事)を 右為の下に、そして住所・氏名を書き入れて下さい。片付けまでが修行です。硯箱を整えましょう。
書きあがりました写経は、正面の三方の上に納めて下さい。当院にて祈念いたします。また、そのままお持ち帰っていただくことも出来ます。
写経・納経が終わられましたらお抹茶を一服ご用意しておりますので、玄関脇の台所(走り大黒天が安置されています)にお声を掛けて下さい。
行事などにより時間が変動する場合がございます